信州大学からの要請をうけ、経済学部一般教養のカリキュラム「資源経済学入門」15講座の内、エネットまつもとが計3回の授業を担当します。11月から1月にかけて、毎月1回のペースです。
第2回目の講座は12月2日(火) 12:30-14:30、1年生を主体の学生が受講しました。
今回の授業は、エネットまつもと運営委員で「渓流保護ネットワーク・砂防ダムを考える水と緑の会」の田口康夫さんが担当。
テーマは「渓流保護から見た砂防ダム問題と土砂災害」。川と人間、そして植物・生物の関係について砂防ダムを通して考える2時間です。
まず、最初は渓流環境と砂防・治山問題の実態についての講義でした。砂防ダムを見たことがなく存在も初めて知ったという学生が大多数。だからこそ、田口さんの熱のこもった講義内容全てが新鮮な情報だったと思います。「そもそも砂防ダムはどうして誕生したのか」「現在ものすごい数の砂防ダムが日本に存在すること」「砂防ダムによって渓流環境が壊されていること」「渓流環境の悪化が海岸線の浸食や沿岸漁業の不振をまねいていること」など通常では得られない話です。
最初の講義が終わった後に講義内容についてのグループ討論を実施。今回も初回に引き続きグループで膝をつき合い円卓をつくり、そこに直接意見を書き込む討論法で行いました。とにかく、初めて聞く情報がほとんどだったようで個々の意見や感想はさまざま。各グループごとの発表では、「砂防ダムの認知度を上げることが重要」「安全のための砂防ダムがお金つまり経済活動のためのダムになっているのは問題」など、学生たちの素直な意見が現れていました。
2つ目の講義は、砂防ダムと土砂災害の現状、そして渓流流域での安全な土地利用について考える内容。最近頻発する異常気象による実際の土砂災害を検証しながら、どうすれば安全な土地利用ができるのか。河川周辺の山林を守ることの大切さについて学べたと思います。(砂防ダムの効果を向上させる「スリッド化」についてもふれました)
最後の質疑応答も丁寧で熱のこもった説明の田口さんでした。
2時間で、とても考えさせられる初めての情報をたくさんもらった学生さんたち。川や森林、そしてダムについての考え方が少し変わってくれたらうれしいです。
(レポート文・写真 広報チーム渡辺)
日時:2014年11月29日 10:00〜12:30
場所:松本市 今井地区福祉ひろば
松本市今井地区の「今井の福祉をささえる会」と松本市社会福祉協議会から声をかけていただき、11月29日、「防災講習会」でロケットストーブ作りを講習しました。参加者は25名ほど。1台を何人かで手分けをしながら加工、3台のロケットストーブを作りました。熱心にメモを取る人、部品や工具について質問する人、作り方のテキストを購入したいという人、会場はわいわいと賑やかで楽しい雰囲気でした。
一人で一台のロケットストーブを作るのもよいですが、数人で一緒に一台を作ることで、お互いにいろいろと相談をしたり、加工のコツを教えたりと、グループ製作の良さを発見できました。
今回は防災講習会ということで、作ったロケットストーブでハイゼックス(炊き出し用ポリエチレン袋、所定量のコメと水を詰め沸騰したお湯で30分煮ればご飯が炊けます)を使っての炊き出しもやってしまうという欲張りな企画内容でしたが、ロケットストーブの専門家である朝日村のカラマツ家具職人・山田義明さんが手伝ってくださったおかげで、炊き出しまでスムーズに進めることができました。
お昼は、ロケットストーブでお湯を沸かしハイゼックスで炊いたご飯と、ロケットストーブで作った豚汁です。ハイゼックスでこんなにおいしくご飯が炊けるとは知らず、驚きでした。
ロケットストーブを作り、それを使っておいしい昼食をつくって食べるという、まさにロケットストーブが災害時に役立つことを実感できるイベント。参加者したみなさん大満足の半日だったようです。
★ロケットストーブの作り方は添付のpdfをご覧ください。
(レポート文・写真 平島安人)
●2014年度・第8回学習会が開催されました。
日時:2014年11月28日(金)19:00-20:30
場所:松本市市民活動サポートセンター会議室
テーマ1:
「生物資源(バイオマス)を考える」
テーマ2:
「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書紹介、気候変動枠組条約締約国会議(COP)の状況等」
担当講師:宮澤 信さん(学習会ワーキンググループ代表)
11月28日(金)、松本市市民活動サポートセンター会議室で第8回の学習会が開催されました。
今回の主テーマは【松本市自然エネルギー講座とのコラボ企画】で「生物資源(バイオマス)を考える」。大規模にCO2を吸収してくれるのは森林のみであることを再認識し、世界と日本の森林事情について学びんでから、バイオマス利用の利点と問題点について多方向から考えました。
また、松本市での事例として「松本市クリーンセンターのゴミ焼却発電」「松本市下水処理場の消化ガス発電」のシステムと概要説明を受けました。
テーマ2としては、最近発表されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書の解説と日本における自然エネルギー全量買取の電力会社の買い取り拒否問題について学びました。
学習後、参加者でバイオマス、IPCC、電力会社の買い取り拒否についていろいろな意見交換がなされましたが、電力を中心にエネルギー自給ができるモデルコミュニティの実現がこれからの地域再生の鍵になるだろうとの意見が多数出ました。
森を大切に守り、エネルギーを大切につくり出し、そして大切に使うことができるコミュニティの創出が、持続可能で素敵なくらしの第一歩になるように思います。
詳しくは下記pdfをご覧ください。
(レポート文・写真 広報チーム渡辺)
自然エネルギーネットまつもと&松本地方事務所環境課
第4回ミーティング
日時:2014年11月7日(金)19:00-20:30
場所:松本市市民活動サポートセンター会議室
11月7日(金)、松本市市民活動サポートセンターで地方事務所との4回目のミーティングを開催。松本地区で2012年につくられた「松本地域ビジョン」の実現のためにエネットまつもとになにができるか。今回は、地方事務所環境課との具体的な協同イベントを練り上げるため、エネットまつもとの掲げる「地域にあるものを活かすくらし」に関わる事例発表を通して、事業テーマを模索するためのミーティングでした。
長野県松本地方事務所の環境課から2名、エネットまつもとからは7名が参加。環境課とエネットまつもとそれぞれからの事例発表として、他県での参考になる取り組み、木質バイオマス関連の事業紹介、都市計画の考え方・提案、小さなエネルギーで豊かな暮らしをしていた先人等の知恵を学ぶ等様々な事例や取り組み、考え方の発表と意見交換ができた充実の2時間でした。
次回ミーティングではさらに事業テーマを絞り込む検討をする予定です。
*松本地域ビジョンは以下のURLでご覧ください。
http://www.pref.nagano.lg.jp/matsuchi/matsuchi-seisaku/kurashi/kaigi/vision.html
写真・文:広報チーム 渡辺
信州大学からの要請をうけ、経済学部一般教養のカリキュラム「資源経済学入門」15講座の内、エネットまつもとが計3回の授業を担当します。11月から1月にかけて、毎月1回のペースです。
第1回目の講座は11月4日(火) 12:30-14:30、1年生を主体に、計29名の学生が受講しました。
初回の授業は、エネットまつもと代表の平島安人さんが担当。まず、紙芝居(KP)プレゼンテーションを使い、基礎知識としての地球規模での温暖化問題、異常気象を代表とする気候変動、CO2排出問題等、現在の地球がかかえる資源・エネルギー・環境問題についてと自然エネルギーの基礎知識について講義。
つぎに、課題を提示「2030-2050年くらいの将来の日本のエネルギー需要の変化」についてグループ討論して各グループで発表してもらいました。なかなか、面白い意見が出てきていました。
後半はプロジェルターを使った講義に変更して、国のエネルギー需要見通し、原発と日本の電力エネルギーの現状と課題、そして長野県における自然エネルギーの現状や、エネルギーの地産地消、それを通じての地域振興といったことについて講義しました。
最後に2回目のグループ討議として、少し視点を変えたテーマで「深刻な日本の空き屋問題」の打開策を自由に意見交換。グループで膝をつき合い円卓をつくり、そこに直接意見を書き込む討論法は新鮮でした。
2時間という限られた時間で、たくさんの知識吸収と体験ができたのではないでしょうか。学生たちに、昨日と違ったものの見方が少しでも生まれるといいなと思います。
(レポート文・写真 広報チーム渡辺)